伊礼智先生の住宅設計作品や設計思想など。YouTubeで対談!

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※2022年10月更新

2019年に尊敬する建築家、伊礼智先生にYouTuberとして認識され、なんと
2021年3月には弊社クオホームのYouTubeチャンネルに出演していただくことができました!(動画は本記事後半にあります)

 

最近、色々な建築家の方が建てられた家を目にする機会を頂いています。

そんな中、2018年12月に見学させて頂いた長崎の工務店、フルマークハウスさんの伊礼智(いれいさとし)先生という建築家の住宅設計には、ただただ感心しました。

TOPの画像はその長崎のフルマークハウスさんのモデルハウスの画像を拝借m(_ _)m

九州長崎のフルマークハウスさんに行ってきました。

その時のブログはこちらから

 

そもそも私が伊礼先生にお会いしたのは2014年。

とあるセミナーに伊礼智先生が登壇されるという事で参加してきました。

その時のブログはこちら

すごく穏やかにユーモアを交えながら話をされていて、かつ内容も非常に参考になる内容でした。

 

では、その尊敬してやまない伊礼智先生とは、一体どんな人なのか

経歴から設計例、参考になる書籍までまとめてみました。

伊礼智先生の学校に入学した話や先生を招いて対談した動画についても触れていますので

興味のある方はお読みください。

伊礼智(いれいさとし)先生の経歴

最初に、伊礼智(いれいさとし)先生の住宅設計作品、経歴や建築、設計思想等について調べてみたので、ご紹介したいと思います。

伊礼智先生Facebookより引用

伊礼智(いれいさとし)先生は、1959年沖縄県嘉手納町産まれの建築家です。

1982年琉球大学理工学部建設工学科卒業後、東京芸術大学大学院美術研究科に進学し、奥村昭雄先生の研究室にて建築を専攻されています。

卒業後、丸谷博男+エーアンドエーでのを経て、

1996年伊礼智設計室を開設。

2005年~2016年 日本大学生産工学部建築学科「居住空間デザインコース」非常勤講師を勤められ、

2016年からは、東京芸術大学美術学部建築学科非常勤講師、

2018年〜2019年、共立女子大学非常勤講師。

 

その他の経歴や受賞歴は以下の通り。

  • 2001年小さな家の設計作法「i-works」を展開
  • 2004年東京の工務店3社と協業「東京町家」を展開
  • 2006年「9坪の家」でエコビルド賞受賞
  • 2007年「町角の家」でエコビルド賞受賞
  • 2008年土曜住宅学校 校長
  • 2012年住宅デザイン学校 校長
  • 2013年「i-works project」でグッドデザイン賞受賞
  • 2016年LIXILとハーフユニットバスを開発
  • 2018年トステム(LIXIL)LW開発のアドバイザー

伊礼智先生の住宅設計作品

伊礼智先生の住宅設計作品は

  • ソーラータウン久米川(分譲住宅)
  • 江戸川ソーラーキャット
  • 東京都町家・あずきハウス
  • 小さな森の家
  • 15坪の家
  • はりまの杜
  • 白馬の山荘
  • ヒンプンハウス
  • 守谷の家
  • 那珂湊の家

・・・など他多数

で、その中でも特に有名な建物、2006年「9坪の家」、2007年「町角の家」について触れていきます。

9坪の家 伊礼智設計室

引用:irei blog

東京都練馬区に建てられた「9坪の家」は、その名の通り、建築面積9坪、延床面積18坪の家で、OMソーラー(太陽熱を集めて床暖房に使うなど省エネで快適な環境をつくる装置)を採用しています。

引用:irei blog

上の画像はリビング。日の光がたっぷり入り、見た目からも暖かい家になっています。

敷地面積22.64坪という限られた敷地に、夫婦2人で住むのに十分なスペースが確保されており、小さな家で快適に暮らすための知恵がいっぱい詰まっていますね。

引用:irei blog

 

照明には、ルイスポールセン(louis poulsen)のペンダントライト、トルボーを使用。

伊礼智先生と言えばこのトルボーで、さまざまな設計作品に使われています。

ルイスポールセンについてはこの記事の後半で詳しく説明しますね。

町角の家 伊礼智先生住宅設計代表作

東京・東中野に建てられた「町角の家」は防火地域に建つ都市型の木造2階建て住宅で、100㎡以内の制限と準耐火構造という設計条件の元、角地であることを最大限に活かされた家づくりを実現されています。

延べ床面積は29.7坪。

こちらは外のデッキがリビングの床よりも30センチほど高くなっており、
家と街に距離感を持たせているそうです。

リビングには、『9坪の家』にも登場したルイスポールセンのトルボーが採用されています。

照明ひとつにとっても、デザインや大きさが変わるだけで部屋・空間の雰囲気がガラッと変わりますから
空間づくりにおける照明選びはとても大切です。

伊礼智先生の設計思想について

伊礼智先生の設計思想についてお話ししていきます。

伊礼智先生の設計思想として広く知られている「小さくても豊かな家」

「誰もが心地よいと思える、小さくても豊かに暮らすことのできる家を手が届く価格で」というポリシーを持っておられます。先にご紹介した2つの代表作『9坪の家』『町角の家』も、これらの設計思想が反映されている作品です。

「小さくても豊かに暮らす」とはどういうことか。

例えば、伊礼智先生の著書『伊礼智の「小さな家」70のレシピ』では
建築面積を減らすことで断熱性能や外壁、サッシや庭造りなどに予算を回すことができるというお話しをされています。

また、敷地めいっぱいに家を建てるのではなく、ゆとりを持たせることでアウトドアリビングのように使えるようにすると、豊かな生活につながるとも書かれています。

限られた敷地、予算の中で、いかに快適な暮らしができるか。
見た目や広さだけでなく、断熱性能や居住空間、インテリアに対して予算をどう回すかを考える大切さを
伊礼智先生から学ぶことができますね。

伊礼智先生のキッチンに対する考え方や設計について

2016年に掲載されたLIXILさんの『キッチン会議』では、伊礼智先生は設計する家に合わせてキッチンをつくると語られています。

「キッチン=料理をする場所」だけでなく、片付けや食事、リビングでテレビを観たりくつろいだりするスペースや時間を快適に過ごせるようにと、キッチンの配置や素材などを決めているそうです。

そのため、キッチンは既製品を入れるのではなく、大工さんと建具屋さんでオリジナルのキッチンを作ります。

人によって身長も違いますから、先何十年と毎日キッチンに立つことを考えた上で、一番疲れない、心地いい高さをミリ単位で調整してくれる。豊かに暮らすための細部までのこだわりを感じ取れますね。

伊礼智さんの最近の設計事例は?実際に行ってみた

直近で拝見させて頂いたのは、長崎の工務店フルマークハウスさんの伊礼先生の設計で建てられたモデルハウスです。

 

喉を潤すためのビールもフルマークハウスさんから用意されていました笑

写真は2019年8月に長崎建築ツアーに伊礼さんと同行した、長崎工務店のフルマークハウスさんのモデルハウス見学時の写真です。

2階リビングから見える外の切り取られた景色は絶景です。

モデルハウス検討時、最初は違う区画の土地を検討されていたみたいですが、2階リビングから見えるこの景色が良いだろうという伊礼さんのアドバイスもあり、計画していた区画から変更して契約直前で今の土地に決定したそうです。

それが功を奏し、このロケーションがあります。

伊礼智先生がデザインする家具「わざわ座」とは?

引用:わざわ座

伊礼智先生は「わざわ座」と呼ばれるコミュニティで、家具作りに取り組んでいます。

わざわ座のホームページでは、わざわ座のネーミングについて、以下のように説明されています。

わざ=技=職人の手仕事

わざわざ=手間をかけること=誠実さ

座=つながり=プロが集う場

わざわ座HPはこちら

わざわ座

デザイナーが計画し、職人が手仕事で作り、工務店が四方良しの価格で住み手に手渡す、このプロセスをできうる限り誠実に行う事を目指す、という心意気が名前に込められています。

わざわ座では、さまざまなデザイナーが家具作りに取り組んでいますが、その中で、伊礼智先生は「建築空間から発送する道具」をテーマに、ちゃぶ台やソファ、キッチン、テーブルなどを制作されています。

http://wazawaza.or.jp/designercat/irei/

伊礼智先生を表す代名詞の照明ルイスポールセン(louis poulsen)

伊礼智先生を表す代名詞の照明ルイスポールセン(louis poulsen)

引用:CONNECT Web SHOP

伊礼智先生の照明の代名詞とも言えるのが、ルイスポールセンのトルボーです。

ルイスポールセンのトルボーは、デンマークでデザイン、生産された乳白ガラス(三層吹き)のハンドメイド照明(ペンダント照明)。その普遍的で美しいデザインが人気で、ナチュラルやモダンな空間はもちろん、和のテイストにもマッチします。

なお、ルイスポールセンは、80年以上にわたり、建築家やデザイナーたちと共同し、照明を生みだしてきたブランドです。トルボーの他、代表作として挙げられることの多い「PH5」は1958年の発売以来、世界中で愛される名作となっています。

1994年にLED電球付きとして発売された同作品は、明るさがアップしたこともあり、公共施設やオフィスなど、美しさはもとより省エネ・省メンテナンスが必要な箇所に適しています

※伊礼先生が他によく採用される代表的なダイニング照明は中村好文さんの「ペラ・ペソ」もあります。

伊礼智先生の設計した家の価格は?

好きな建築家に設計してもらいたい。でもお高いんでしょう?と、やはり気になるのは設計費用。

伊礼智先生の住宅の設計を頼むと、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?

基本的に、伊礼智先生に設計を頼むと、住宅の価格は坪単価120万円を超えますが、その価格に見合った質と仕上がりは保証されます。

なお、伊礼智先生のブログによると、2017年以降の設計条件として、以下のような諸条件でお受けされているみたいです

詳細は伊礼先生のブログを見てみてください^^

伊礼先生の設計料、価格について

ブログの最後に先生の言葉が書いてあります。

*おおらかな方、小さなことを気にしない方、
心地よい、楽しい住まいをお望みの方・・・
伊礼智設計室の設計を気に入っていただいていらっしゃる方、
お待ちしております。

なんか伊礼先生らしいお言葉であり、理念を感じます^^伊礼智先生の作品や設計思想が好きで、伊礼智先生に設計をすべてお任せできる方に向いているんでしょうね!

伊礼智先生は平屋でもデザインしてくれるのか

伊礼智先生の平屋デザインはどうか?

もちろん、設計実例あります。

代表例は、2019年に開催された「里山住宅博inつくば」の芝木材店さんのモデルハウス。

里山の平屋暮らしの家」というテーマで設計・建築された平屋は、OMXを採用
OMXとはOMソーラーに加え、冷房機能も備える「次世代型温熱環境システム」です。

2025年以降には、新たに断熱性能の義務化や最低基準の底上げがされ、どんどん家を建てる基準が厳しくなっていく中
家の性能を高水準に保ちつつ、優れたデザイン性で設計・建築できる伊礼智先生はまさに匠です。

伊礼智先生の本がすごく良いと評判【YouTubeで対談しました】

伊礼智先生と言えば、設計ディテールをたくさん公開されています。設計を標準化する事によって、価格を抑えながらもより美しいデザインを広めるため、あえて公開されているそうです。

現在、発売されている本の一部を紹介いたします。

弊社の事務所にももちろんおいてあり、設計時の参考にさせて頂いています。

また、2021年3月には伊礼智先生ご本人を招いて対談動画を撮影させていただきましたので、その様子についてもご覧いただけたらと思います。

【伊礼智先生ご本人出演】伊礼智の住宅設計作法Ⅲ 心地よさのものさし(新建新聞社)

この本には、伊礼智さんならではのデザイン設計についてのお話しだけでなく
現代の建築基準の流れにおける耐震性能や断熱性能などについてもしっかりお話しされています。

これから家を建てる人はもちろん、設計者にもおすすめできる伊礼先生の新刊です。

『心地よさのものさし』について動画にしています。なんと、伊礼智先生ご本人にも出演を快諾していただきました!
私含め4名でzoom対談という形で取材、撮影させていただいております。

この動画では、断熱性能や耐震性能が大事だという時代の中で、デザインでここは外せないというポイントや、一般の人が家づくりを学ぶためにどんな人の動画を参考にしたらよいか?などを、伊礼智先生にアドバイスいただきました!

ぜひ、ご覧ください。

対談時の出演者について
左上:長崎県の工務店「フルマークハウス」吉田さん
左下:大阪市住吉区の工務店「藏家(くらや)」居藏さん
右上:「クオホーム」本田(私)
右下:建築家・伊礼智先生

伊礼智の「小さな家」70のレシピ(エクスナレッジムック)

伊礼智の「小さな家」70のレシピでは、写真をふんだんに使った設計事例集で、詳細図も掲載されていることから、建築士にとっても、とても役に立つ内容となっています。

「開口部近傍に心地よさは宿る」や「壁を残すと落ち着いた空間になる」といった、具体的なアドバイスも書かれています。

伊礼智の住宅設計(エクスナレッジムック)

「伊礼智の住宅設計」は「標準化から生まれる豊かな住まい」というサブタイトルがつけられています。

「標準化」とは、その名の通り標準仕様を作るといった意味合いで考えるとよいでしょう。

伊礼智先生は、自身のブログで「なぜ標準化するのか」について、「建築は難しい全体をまとめ上げること」とし、使い勝手やコスト、住まい手の満足度、設計者の満足度などを総合して、総合的に良い住宅とは?ということに対する答えかもしれない…といったことを書かれています。

伊礼智の住宅設計作法Ⅱ(新建新聞社)

伊礼智の住宅設計作法Ⅱは、工務店業界紙である新建新聞社が発行する月刊誌に連載された記事がまとめられた本で、冒頭には伊礼智先生の出身地でもある沖縄の伝統的な家が登場します。

なお、同シリーズの1作目は、2009年に発売後、4刷で13,000部、5刷目で増刷3,000部されたと伊礼智先生のブログに書かれています。

伊礼智先生の設計が学べる住宅デザイン学校に入学してみた

伊礼智先生の設計が学べる住宅デザイン学校がある

引用:https://hsd101.net/

伊礼智先生は2012年から「設計を極める学校」として住宅デザイン学校を開校して設計を教えています。

入会すると、各イベントへの参加権利や伊礼智設計物件のオープンハウスへの特別招待、facebookグループへの招待を受けることができます。

上記以外に、伊礼先生の設計教室の講義を受けるコースもあります。

設計教室では、伊礼智先生とその他のゲスト講師から受けられる講義と、2日目に行われる即日設計の1セットが全3回開講されます。

 

そして2019年9月、伊礼智住宅デザイン学校の第一回目の講義がありました。

恒例の即日設計に怯えながら参加。伊礼さんとは初対面ではないですが、【ほぼ】初対面。

そんな緊張もありながらの参加。。。

その様子はこちら↓ 予想外の結果に困惑する本田です

2019年伊礼智住宅デザイン学校に入学してみた結果

伊礼先生の公式ブログやSNS

ここまで、何度か登場しましたが、伊礼智先生の作品や思想を知るなら伊礼智先生自身のブログ「irei blog(https://irei.exblog.jp/)」を見てみるとよいでしょう。

2019年3月26日のブログでは、学生向けにオープンデスクの受付も書かれています。今後も同様の記事が投稿される可能性もあるので、先生の元で学んでみたいという方は、ぜひチェックしておくとよいでしょう。

インスタグラムもやられています。(https://www.instagram.com/satoshi_irei/

まとめ

2019年の新住協の勉強会でも、伊礼先生とお会いして色々話をさせて頂きましたが、人柄もとても良く、親しみのある伊礼先生。

大阪の街を少し一緒に歩きましたが、その間でのちょっとおちゃめなトークも面白かったです♪※ここには書けないですが。

また、2022年3月には伊礼智先生との対談を実現させ、YouTube出演も快諾していただくことができ、本当に感謝しかありません。

これから新築やリフォームを計画している人はもちろん、建築家や設計士として学んでいる人にも有益なお話しを聞かせていただくことができました。

本記事の内容や紹介した書籍、動画など、今後の参考にしていただければ幸いです。

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