社員大工ってなんですか?工務店選びの際にメリット、デメリットはあるの?
先日こんな質問がありました↓
https://twitter.com/quohome/status/1144788297509556224
社員大工さんって何ですか?というご質問がありました。
ご質問の本質はこうです
これがご質問の本質だと思います。
これについて少し解説したいと思います。
が、結論からお話すると
「社員大工さんがいる会社はメリットがあります」
はい、ではもう少しだけ深掘りして解説していきます。
目次
社員大工ってなんですか?工務店選びの際にメリット、デメリットはあるの?
社員大工とは「文字通りですが社員の大工さん」です。
大工技能がある人を社員として雇っています。
大工さんと言うと昔ながら「職人」っていうイメージが多く、一人親方で弟子数人いる。もしくは一人親方とその息子さん。「親子大工」という感じで家族として個人事業主として仕事をしてるというのが昔ながらでした。
しかし、時代は変わりイチ大工さんが一人でコツコツ仕事をしていても新しい仕事を「受注」するのが近年は特に難しくなってきています。
昔は「いい仕事をしていれば自ずと次の仕事が舞い込んでくるもんじゃ!」っていう雰囲気ですが、近年はインターネット、SNSで情報発信をしていないと今の若い世代には見てもらません。
中々、インターネットやSNSが個人的に得意な職人は未だに少なく、ワタシもいまだかつて情報発信が超得意です!っていう大工さんに会ったことはありません。
その結果、仕事に困る腕の良い職人さんが多くなっています。そうなった時に仕事がなくて困るので会社の中の技能職として「大工さん」と雇用契約を交わしてサラリーマンとして活躍してもらうとう流れになっています。
社員大工=サラリーマン大工です。
サラリーマン大工っていうと何か響き的に大工さんに嫌われそうですが別に悪くないと思いますしね。
個人事業主のイチ大工さんと社員大工さんのメリットを解説します。
社員大工さんのメリットは?
・安定した給料が毎月確実に入ってくる。
・人工(にんく)を考えて早く仕事を終わらせる必要があまりない
・仕事を個人で受注するという心配はない
・会社によっては福利厚生がしっかりとしている
・保険の心配をしなくてもよい
・確定申告の心配がない(一部ある会社もある)
・税務署に怯えなくてよい笑(会社で源泉徴収されているから)
・働き方改革で守られ始めているので、大工さんも土日祝日や有給休暇もある
等、イチ職人ではない待遇があります。
そうみると社員大工さんって良いなと思います。そらそうです。サラリーマンですから?
でも工務店側から見るとデメリットもあります。
このデメリットが「=お施主様と同じ」なところもあります
社員大工さんのデメリットは?
ここは会社(工務店)側のデメリットで=お施主様のデメリットにも影響してくる部分ですね。
・安定した給料が毎月確実に入ってくる=毎月固定費がかかる
・人工(にんく)を考えて早く仕事を終わらせる必要が薄れる=工期が遅れるとその分コストアップ
・仕事を個人で受注するという心配はない=工務店がお金を書けて宣伝広告をしないといけない
・会社によっては福利厚生がしっかりとしている=会社負担が増える
・保険の心配をしなくてもよい=会社負担が増える
・確定申告の心配がない(一部ある会社もある)=会社が経理をする
・税務署に怯えなくてよい笑(会社で源泉徴収されているから)=会社が変わりに怯える笑
・働き方改革で守られ始めているので、大工さんも土日祝日や有給休暇もある=土日祝休んでると工期が当然の様に伸びる
こんな感じですかねー。
そう考えるオーナー様に取っては社員大工でやってる工務店で頼むメリットはないじゃない?とはならない。良し悪しがあります。
社員大工さんを抱えている工務店さんにも悩みがあります。
https://twitter.com/quohome/status/1144789490508025856
こんな悩みをしょっちゅう聞いたりします。
でもデメリットだけではないのは事実です。
腕の良い大工さんを育てる事が出来る、仕事をいつでも任せられる
元々腕の良かった大工さんを社員大工さんに雇用するばとにかく自社の仕事をいつでも任せる事が出来ますので工務店としては安心です。
腕の良い大工さんは工務店さんから引っ張りだこになります。
工務店側から見ると大工さんに続けて仕事を発注出来なければ他の工務店さんの仕事を受けたっきり帰って来ないなんて事が多々あります。
いざ仕事を受注した!と言って腕の良い大工さんに仕事を頼んでも「いや、1年ぐらい他の仕事が決まってて、無理かなー」と断られてしまいます。
これ業界あるあるです(苦笑)
そうなると、一から大工さんを探す事になりますので、また一から自社の仕事の流れを説明する事になります。
そうすると・・・・
・また一から教える手間がかかる
・腕の良し悪しが読めないので仕事の出来がばらつく可能性がある
・仕事が気に入らないとせっかく教えても次のお家からは断られる←業界あるある笑
そんな感じです。
経営者の立場からとオーナー様からの立場を考えると
腕の良い社員大工さんがいると仕事も慣れてくるし、技術向上や、社内意識の共有も出来ますので経営方針と同じ方向に向かって仕事をしてくれますので「仕事の質」を安定させる事が可能です。
しかし、前述した通りデメリットもあり、やはり経営者としては固定費がかさみます。
いつも仕事が安定してあれば良いですが、大工仕事がなければ遊んでしまいます。
正直、大工仕事が無くてもブログを書いたり、youtubeを撮影したりしてくれれば良いですが、普通は無理ですし期待してはいけません^^;
仕事が無くなりそうになると、「儲からない仕事であっても仕事を取ってきて社員大工さんにやらせる」と言う、「儲からないけど仕事は取らないと」という超悪循環に陥ります。
ここも難しい問題です。
「工務店選びから考える社員大工はどうなのか?」の結果は?
ホンダが考える「工務店選びから考える社員大工はどうなのか?」の結果は?
・受注をたくさんしている会社の社員大工さんは腕の技術も高い可能性がある。
・新築の受注がなく、仕事があまり無く小さい営繕(小さい手直し)ばかりしている社員大工さんが多い会社は要チェック。
・現場に向かう意識が高い。
そんな感じだと思います。社員大工がいるから大丈夫とかという感じでもありません。オーナー様にも十分メリットはありますので工務店選びのちょっとした一つの基準ぐらいでも良いかも?ってぐらいの事です。